【徹底解説】睡眠成分「グリシン」の6つの効果を分析してみた!!

こんにちは!COUNT SHEEP編集部です。

今回ご紹介するのはグリシン。

睡眠だけでなく血圧などにも効果がある成分です。

試験データを元にご紹介しましょう!

グリシンとは?

まずはグリシンについて詳しく説明します。

非必須アミノ酸の一種

グリシンは非必須アミノ酸の一種です。

非必須アミノ酸とは、体内で合成することができるアミノ酸のことを指します。

アミノ酸は私たちの体の15~20%、水分と脂質を除くほとんどの部分を占めるタンパク質を構成する大切な要素です。

500もの種類があるアミノ酸ですが、ヒトの体を作るのに必要なのはそのうちの20種類。

20種類のうち、9種類は体内で合成することができない必須アミノ酸、11種類は体内で合成することができる非必須アミノ酸です。

中でもグリシンは、非必須アミノ酸に分類されています。

つまりグリシンは体内でも自然と作られているアミノ酸なんです。

グリシンはタンパク質の中でもコラーゲンを構成する要素として知られています。

コラーゲンは皮膚や関節など、体のさまざまな部分で重要な役割を果たします。

そんなコラーゲンに占めるグリシンの割合はなんと全体の約3分の1!

このことからもわかるように、グリシンは私たちの体にとって欠かせない成分なのです!

 

偶然発見された奇跡の成分

グリシンの持つ睡眠効果の発見は、まさに偶然の産物でした。

グリシンは1820年に欧州でゼラチンから発見され、甘味を持つことから当初はゼラチン糖と呼ばれていました。

グリシン呼ばれるようになったのは、1848年にスウェーデンの化学者によって名づけられてからのことです。

その後研究によってコラーゲンの構成要素であること、隕石から検出されたことで宇宙にも存在したことなどが明かされていきました。

そして2002年、偶然にもその睡眠効果が発見されたのは、なんと日本で行われた睡眠とは全く関係のない実験でのことでした。

ある薬の有効性を実証するための社内実験で、何の効果もないプラセボ(偽薬)としてグリシンが使用されました。

その際の被験者が感じた「ぐっすり眠れるようになったかも?」という気付きが、グリシンの睡眠効果の研究・発見のきっかけとなったのです。

つまりグリシンは偶然が生み出した奇跡の成分なのです!

 

グリシンが含まれる食べ物

グリシンはタンパク質が豊富な食べ物に多く含まれています。

中でも肉類や魚介類といった動物性たんぱく質が豊富な食品には特に多く含まれています。

グリシンの多く含まれる食品 100gあたりの含有量(mg)
豚ゼラチン 24000
豚軟骨 3900
牛ミノ 2400
まだら 4000
かつお節 3400
車エビ 3400

牛ひき肉や豚ひき肉などもグリシンが豊富な食材。

魚介類ではタラ(まだら)やかつお節など、日本人になじみ深い魚に豊富に含まれていますね。

また、豆類や穀類といった植物性たんぱく質が豊富な食材にも多く含まれます。

グリシンの多く含まれる食材 100gあたりの含有量(g)
大豆 3600
小麦 2700
落花生 1600

(出典:食品データベース

グリシンは必須アミノ酸なので、体内でも自然と合成されます。

ですがグリシン豊富なこれらの食材を積極的に取り入れることで、睡眠効果などをさらにしっかりと実感することができるのです。

大豆は醤油や味噌などの日本の調味料にも使われている食材です。

どの食材もバランスの取れた日本食でばっちり摂れるものばかりですね!

 

グリシンに期待できる6つの効果とは?

グリシンには以下の6つの効果が期待できます。

  • 深部体温の発散によるノンレム睡眠の誘発
  • 入眠の促進
  • 記憶力の向上
  • アルコール代謝の促進による肝機能の保護
  • 血圧の低下
  • 糖尿病の予防

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

    効果1.深部体温の発散によるノンレム睡眠の誘発

     

    グリシンには深部体温を発散させ、ノンレム睡眠を誘発する効果が期待できます。

    私たちは就寝時、ノンレム睡眠(深い睡眠)とレム睡眠(浅い睡眠)を約90分サイクルで繰り返しています。

    ノンレム睡眠は深部体温(体の中心部分の温度)が下がると誘発されやすくなります。

    このノンレム睡眠の時間が長く深いことが、質の良い眠りの必須条件なんです。

    グリシンのノンレム睡眠の誘発効果に関して、ラットを使った実験が行われました。

    ラットにグリシンを注射投与してその効果を検証したところ、皮膚表面の血流が活発になって、体の表面温度が上がったことが確認されたのです。

    表面温度が上がったということは、体外に熱が発散されて深部体温が下がったということを表しています。

    眠っている時の赤ちゃんの体温がとても高く感じられる状態を想像するとわかりやすいですね。

    つまりグリシンを摂取すれば、ノンレム睡眠が誘発されてより質の良い眠りにつくことができるのです![1]

     

     

    効果2.入眠の促進

    男性

    グリシンには入眠を促進する効果もあります。

    人間の深部体温は24時間の中で上昇と低下を繰り返しています。

    寝ている時の深部体温は起きている時に比べて低く、深部体温が下がることで体が休息モードに入ります。

    深部体温の低下によって体の中心だけでなく脳も冷やされ、脳細胞の代謝が下がって脳が休まります。

    こうして体と脳が休まることで私たちは眠気を感じ、睡眠に導かれていくのです。

    グリシンの入眠効果について、実際に睡眠不足の人を対象とした実験が行われました。

    睡眠不足の人に3gのグリシンを摂取させたところ、入眠までの時間の短縮が確認されました。

    また、入眠がスムーズになり睡眠時間が増えることで、昼間の眠気を軽減し昼間のパフォーマンスの向上にもつながることも実証されています。

    つまり、グリシンを摂取することで寝つきが良くなり、昼間のパフォーマンス力アップにもつながるのです![2]

     

    効果3.記憶力の向上

    グリシンは記憶力の向上に効果があることが実証されています。

    実験では健康な学生と中年男性のグループに対し、グリシンを摂取させたうえでさまざまな記憶力に関するテストが行われました。

    すると、両方のグループに記憶力の有意な向上が見られたのです。

    特に中年男性のグループでは、記憶力だけでなく注意力の持続といった面での有意な効果も確認されました。

    このことから、グリシンには夜勤や睡眠障害による判断力の低下や統合失調症などによる記憶力の低下を防ぐ効果があることがわかりました。[3]

    また、ラットを使った実験でもグリシンの記憶力に関する効果が検証されました。

    この実験では30匹のラットに異なる容量のグリシンを2週間投与し、その影響を観察しました。

    すると、血液中のグリシンの濃度が高いラットほど記憶に重要な神経伝達物質が増加していることが確認されたのです。

    このことから、グリシンが記憶喪失や行動障害といった記憶力の低下による症状に有用なことがわかりました。[4]

    つまり、グリシンを摂取することでさまざまな要因によって低下してしまった記憶力を取り戻すことができるのです!

    効果4.アルコール代謝の促進による肝機能の保護

     

    グリシンにはアルコールの代謝を促し肝機能を保護する効果もあります。

    肝臓は食べ物をエネルギーに変えたり脂肪の消化吸収を助ける胆汁を作ったり、私たちの体にとって多くの大切や役割を果たしてくれている臓器です。

    その役割の一つにアルコールを代謝して無害なものにしてくれるという重要なものがあります。

    アルコールを常に摂取している状態で肝臓がフルに活動していると次第に処理が追い付かなくなり、肝脂肪や肝硬変といった病気につながる恐れがあります。

    グリシンの肝機能に与える影響について、ラットを使って実験が行われました。

    実験では4週間エタノールを投与したラットにグリシンを摂取させたところ、尿、呼気、末梢血、門脈血、糞、胃内容物中のエタノール濃度の急激な低下がみられました。

    これはグリシンが胃でアルコール代謝を促進して、肝臓の負担を減らしてくれていることを表しています。[5]

    また、6週間エタノールを投与したラットに対して2週間グリシンを摂取させた実験では、プラセボ(偽薬)に比べて血中エタノールを減少させることによる肝病理学的スコアの低下が見込めることも実証されました。[5]

    つまり、グリシンを摂取することでアルコールによって肝臓が傷付くことを防いでくれる効果が期待できるのです!

     

    効果5.血圧の低下

    グリシンには血圧を下げる効果があります。

    生活習慣の乱れによって高血圧の人が増えている現代。

    自覚症状がないからといって放っておけば、心疾患や脳卒中と言った重大な病気を引き起こすことにもなりかねません。

    グリシンが血圧に与える影響を検証する実験がラットを使って行われました。

    この実験では高血圧のラットに4週間グリシンを摂取させ、血圧の変化が観察されました。

    すると、高血圧が有意に減少したことが確認されました。

    それだけでなく、腹腔内脂肪の蓄積の減少への効果があることもわかったのです。

    腹腔内脂肪は内臓脂肪とも呼ばれ、見た目にわかりやすい皮下脂肪より落ちにくいといわれている厄介な脂肪です。

    蓄積すると肥満によって引き起こされる障害を起こしやすいとも言われています。

    つまり、グリシンには高血圧や肥満の予防効果も期待できるのです![6]

     

    効果6.糖尿病の予防

    グリシンには生活習慣病である糖尿病を予防する効果も期待できます。

    糖尿病はインスリンというホルモンがうまく働かず血糖値が上がってしまう病気です。

    インスリンは血液中の血糖(ブドウ糖)を一定の範囲に収めてくれる役割を果たしてくれるホルモン。

    それが正常に働かないことで、血糖の濃度(血糖値)が上がったままになってしまうのです。

    血糖値が上がったまま放置されると血管が傷付き、心臓病や失明、腎不全と言った合併症を引き起こすこともあります。

    また、血流が悪くなることで末端の細胞が壊死して手足の切断を余儀なくされることもあるのです。

    現代の偏った食事や運動不足によって、糖尿病患者は毎年増え続けています。

    そんな糖尿病に対するグリシンの予防効果に関する実験が行われました。

    健康な12名を対象に6名には5gのグリシンを摂取させ、残りの6名にはプラセボを摂取させて検証したところ、グリシンを摂取した6名にインスリンの反応の増加が確認されました。

    このことはグリシンによってインスリンの正常な働きが促されていることを表しています。

    つまり、グリシンを摂取することで糖尿病を予防する効果が期待できるのです![7]

    グリシンに副作用はある?

    グリシンは食べ物に含まれていたり食品添加物に使用されていることからもわかるように、基本的には副作用の心配の低い安全なものです。

    ただ、どんな体にいい成分も過剰摂取には注意が必要です!

    確認されている副作用として吐き気や嘔吐、下痢、胃の不調、過度の眠気などがあります。

    しかし、私たちの体にいい影響を与えてくれるたくさんの効果があるグリシン、過度に心配する必要はありません!

    サプリメントに表記されているグリシンの一日の推奨量はだいたい3,000mgです。

    過剰摂取にならないよう、サプリメントの場合は推奨量をしっかり守って摂取するようにしましょう。[8]

     

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    私たちの体にとって大切なアミノ酸の1つ、グリシン。

    その多くの効果について解説してきました。

    グリシンにはノンレム睡眠の誘発や入眠の促進といった睡眠に関する効果があります。

    それだけでなく、記憶力やさまざまな病気への効果も期待できることがわかりました。

    食生活の乱れやストレスで体と心が休まりにくくなっている今、私たちの体にとって重要な役割を果たす成分としてグリシンはますます注目されています。

    グリシンを上手く生活に取り入れることで質の良い睡眠で体をしっかり休め、日中のパフォーマンス向上へ!

    そしてさまざまな病気を予防し生涯健康に過ごせる体を目指しましょう!

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